B医師(渡辺),健保組合に対する,抗議,謝罪要求. ○○健康保険組合長,理事長 殿 芝大門クリニック医師 渡辺譲二 「○○健康保険組合」と組合責任者に対する,抗議,撤回・謝罪要求 平21年○月○日,「00健発00号」医師 渡辺譲二 宛て,について
まえがき
健保組合は, 1 従業員・組合員・被保険者から,高額の保険金を徴収・あずかり,その利益・福利・厚生を図るための組織である. 2 国の健康保険事業を代行する法人にして,厚生労働省,都道府県厚生局の認可により設立し,監督・指導を受けるもので,勝手に運営する私的・民間組織ではない. 3 よって,その運営,業務のあり方は,常に上記の原則を逸脱したり,特殊な様態であってはならない.
前提
「健保組合と医療機関・医師間の意思疎通の一般的・常識的ルール」が問題点であり,個別のAさんのケースという意味ではない.よって今後もこの具体的ケースについて論じたりするつもりはない.やりとりの中で,決して患者個人名を出さないようにしていただきたい. 私個人の名前は,医師として公的に活動しており,公表に問題はありません(貴組合側責任者氏名の公表も当然です).
いきさつ
患者(Aさんとする)について,このほど,貴組合から,質問書がありました.患者さんに迷惑がかからないように,とりあえず回答書を作成,別途に送付しました. その質問書は,内容の数点にわたって極めて,失礼,不見識であると考えます.医療を実際に担当し,さらに頻繁に,多くの時間・労力を割いてこのような書類を作成する立場として,看過できないので,以下,抗議,「撤回・謝罪」要求と質問をいたします. なお,この件は,次のように扱うつもりです.
当初の方針 (1)当初ウェブサイトなどに,固有名詞(組合名も)を出さずに公表. (2)監督省庁に抗議,申し入れ,問い合わせ. (3)貴組合の対応(返答の有無や内容も含めて)によっては,組合名,責任者氏名を含めて, やりとり,議論などの内容をより広く公開する. なお,現時点では私個人の抗議・要求ですが,今後広く貿同を呼びかけていきます(所属医療機関,法人,同分野や他の分野の医療関係者,患者,他団体・個人など).
「質問書(貴組合からの)」の内容について ここでは,質問書や回答書内容を再掲はしないので,質問書と回答書を参照していただきたい. 1)「医学的見解」を求めるとはどういう意味か.すでに書いた書類の内容は「医学的」でないというなら,その根拠は何か.誰がそのような判断をしたのか.医師でないものによる,そのような職掌を超えた言動は不当ではないか. 当方は混雑が著しい中,短時間でもできるだけ充実した治療を心がけており,多数の書類作成は診療後,時間外や休日作業となる.傷病手当申請書の医師記載欄は,極めて小さく数行も書けないが,前回までの書類の記載や,初診以降の経過をふりかえり,慎重を期している.これまで他の患者も含めて,就労可否判断を含む書類は不備がないように十分に記載してきたつもりである.今回が初回ではなく,それまでも1年分ほどの記載をしてきたが,今回の件についてだけ,特別に問題とするのはなぜか.
ほとんどの疾患でも,まして慢性疼痛疾患ではなおのこと,検査値は一つの目安であり,就労可否や療養方針は,自覚症状や診察所見を主な根拠として判断される.症状の記載が大半であることを「医学的でない」と見なすのか.では,これまでのほぼ同様の記載(こちらは内容に自信と責任を持ってる)は医学的で妥当と判断してきたのか. 2)質問2に,「『頸肩腕症候群』でも就労されている方はいらっしゃいますが」という前書きをわざわざ前提としているが,その意図は何か. 頸肩腕症候群で,回復が進んだり,当初から軽度の患者が,就労しているのは当然である. 当方も,休業については,身体的条件は改善するが,現在の社会状況ではむしろマイナス面も多いので,できるだけしないように,また確実で速やかな復帰にするようにすすめている. しかし「頸肩腕症候群は,休業しても短期のうちに再就労すべきであり,しないのはおかしい」は不当な言いがかりである.頸肩腕症候群は(慢性病や慢性疾患の大半も),同じ病名がついても,症状の重症度や,経過には著しい差があり,最前の治療をしても治癒の予測は難しい. 3)「治療をしていない」は,許せない侮辱である.「病気は薬を服用すれば治る,薬を処方することが医師の仕事,それをしないのはおかしい」という浅はかな考えは,頸肩腕症候群に限らずほとんどの疾患についても間違っている.社会常識を欠いているし,わずかながらでも医療に近い分野の担当者として恥ずべき発言である. 保険請求の項目として,薬の投与や検査があればよいという考えは,無駄で高価な投薬や検査を助長するもので,健保関係者の発言としてもおかしい.むしろ,処方がなくても,丁寧で重厚な治療が進むというあるべき医療の姿を妨害するものである.また保険請求にも,診察(再診),抗炎症処置,慢性疼痛外来管理などの項目があることの意味を理解しない,非常識なものである.
抗議
今回の質問書は,不当な内容であり,厳重に抗議します.
要求
質問書を撤回し,謝罪することを求めます. 求められた書類を相手の意図を汲んで短時間にごくさらっと片づけるのが,最も実際的・効率的です.今回のような不当な表現が,腹立たしいものだとしても,「浅はかな担当者の小賢しい出過ぎた真似,重箱の隅をつつくようなあら探しだろう」程度におさめておくこともできなくはありません.しかし,このような不快で時間を浪費するやりとりで,多くの医師が特に慢性疾患患者の診断書を書かない,就労不可判断はしない,という気持ちになります.つまり今回の「質問書」は,無知・非常識によるものでなく,実際的には「嫌がらせ効果」を持つ,ないしは意図しているものです. また,このような公的文書は,通常,組織の責任者名を明示して発行されるものですが,それがありません.組織責任者として氏名を公表しても,なお同じことを言われるとは思えませんが,仮にこの件について無視や,あえて同じ内容を繰り返すなら,確信に基づいた言動とみなし,決着がつくまで徹底した討論を求めることになります.
質問 1)組合長(最高責任者),担当者の氏名(フルネーム)どこにも責任者の氏名が書いてないのは書類として不備があるし,相手先に失礼である. 2)質問書発行の根拠と経過 このような質問書を発した理由,何を根拠にこのような文書を発行したのか.発行基準(当然のことながら組織内にも定まっていると考えられる)を明らかにすること.(基準によったとしても)その判断をしたのは誰か,またはそれが会議の場合はその名称,構成メンバー氏名,その設置基準. 3)目的,用途 このような書類(当方からの回答)を何のために用いるのか. 検討する会議があるのなら,その名称と設置の根拠,構成員全員の氏名,部外者(外部委託)がいる場合はその所属先名(電話). 傷病手当不支給などの検討・判断をするのであればその基準はあるのか. 以上,「撤回・謝罪」要求と質問についての回答を速やかに求めます. なお,すべてのやりとりは,文書にてお願いします.日中,診察時間帯の電話,面談,応対はお断りします. 平成21年○月○日 渡辺譲二 東京都港区○○芝大門クリニック
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