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■腰痛、あしのしびれ、だるさ |
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●急性腰痛 |
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痛むのは、筋肉やその膜、靱帯などの微少な亀裂、圧迫された神経、など |
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椎間板ヘルニア他(脊柱管狭窄症、脊椎すべり症…)によって、神経圧迫、靱帯の圧迫・引き延ばし・亀裂・断裂などにより痛みが生じます。椎間板そのものの痛みもあります。
腰周辺の筋肉や筋膜・腱(筋肉を包む膜、そのまま腱に移行し、骨に付着し力を伝える)に微少な亀裂、断裂が生じて痛みを生ずることもあります。ぎっくり腰、肉離れもこれに含みます |
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こうした異常事態を検知(痛みを神経を介して、、または化学的に検出)した人体は、防御反応として周辺の筋肉を強く緊張させます。痛み、強い緊張は、ともに動かさない、傷害を拡大しないためのものです。また、周辺の痛覚が鋭敏になり、ささいなシグナルを過大に扱うようになります。
筋肉の緊張持続は、痛みになります。固くなることで、血流が滞り、酸素、栄養供給が低下、老廃物代謝・処理・運び去りが停滞し、ますます炎症、痛み、を悪化させ、悪循環に陥ります。これがさらに周辺の筋肉にも緊張、過敏性、痛み、をまきおこすというように、連鎖的に波及します。
これらが、急激に起きた場合は、突然のぎっくり腰で、数日から数週間持続し、自然に軽減します。 |
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●慢性腰痛 |
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きっかけとなった障害(靱帯、腱、筋膜、椎間板の亀裂、断裂。神経の圧迫)が、修復されずに続く場合は、それ自体の痛みと、反応性の過敏性、筋肉の持続緊張がとれず、数ヶ月、数年と慢性的に経過することがあります。固く触知できる硬結(しこり)ができてしまうこともあります。
さらには、元の障害がとれても、あるいは最初から軽微でさらにすぐ無くなっても、後者だけが、持続することがあります。 |
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● 筋肉の低下 |
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腰や脊椎を支える、筋肉、靱帯が弱って、慢性化になることもあります。物理的、機械的に守る、支える力が低下する、関節面に直接かかる力が強くなり、関節の痛みも増します。
1)自律神経の異常
痛みが強い、その持続期間が長いなどによって、筋肉の血流を調整する自律神経が不調になり、相対的栄養不足から、周囲の筋肉がやせ細って弱くなることがあります。わずかな筋肉で支えなきゃならない、他のバランスが崩れるなどで、悪循環になります。
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2)過保護による筋力低下 廃用症候群
ギブス固定で、筋肉・関節が動かないようにすると、筋肉は数日から十数日でやせ衰えてしまいます。骨もどんどん弱くなります。
ゆえに、コルセットの長期使用、過度の安静・臥床などは、筋肉や腱(理想的な天然のコルセット)をスポイルする危険性もあります。
3)全身的な低下
痛みが強いと、全身機能も低下し、食欲が無くなり、全身的な「やせ」になります。数sの体重減少は、珍しくありません。 |
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●スウェイバック |
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馬で、尻から胴体へのたわみがきつい状態をスウェイバックと呼び、人間にも使われるようになった用語です。
骨盤の前傾がきつい(仙骨上面の傾きが水平に対して30度が正常)と、その上に乗ってる腰椎は上半身の重みを受けて、前方にすべり落ちる成分が多くなります。すると椎間関節に無理がかかる、靱帯が傷むなどで、痛みが発生します。
若い女性で「でっちり」傾向の姿勢を意識的にとり、それが身に付いてしまった。肥満や妊娠で、お腹が前下方に垂れて、腰の前彎がきつくなった。などが典型例です。
椅子に腰掛けても辛い、仰向けになると、腰が浮いて痛く、辛いので、側臥やうつぶせしかできない、などになります。
★対策
肥満の場合は 減量。(簡単ではないでしょうが)
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★姿勢を矯正する 時々脊椎の正しい湾曲を意識する。
腹をひっこめながら、身体の後屈(後ろ反らし)をする。両足を軽くひろげて、腰に手を当てて。そこからゆっくりそのまま(腰の角度を保って)起きあがる。この状態が、適切な脊椎の生理的湾曲になってる。
床 仰向け、膝を立て、背骨全体をつける
壁 足を少し離して背骨を軽く押しつける
壁 足を壁につけ、膝を少しまげて、背骨全体を軽く押しつける
★腹筋を鍛える
前から、腹圧をささえ、内側から腰椎を押して支えることになる。これがゆるいと、腰椎が過度に前彎する。
★努力の方向、メド
症状の改善、
壁、柱などに背中をくっつける。腰が浮くが、膝を折る、あるいは足を前に出すと、腰が着くようになる。この高さ、または前に出す距離を記録し、少なくなるようにめざす。
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●腰を守る |
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腰の背骨だけでなく、頭から骨盤にいたる脊椎全体を守り、正しく使って、100年以上持たせるようにしたいものです。
胸には12個の椎骨(背骨)があります。それらは肋骨、前の胸骨と全体で、バスケット状の立体的に強固な構造を成すので、どの方向にもあまり曲ません。仙骨も背骨ですが、5個が融合して骨盤に組み込まれ、動きません。かくしてその間にある腰椎5個が、上下を補う分までの動きを担わされます。
★できるだけ曲げない
股関節を十分に使うことで、多くの動きをカバーできます。腰は、本来もあまり曲げないものです。
急性期は、特に注意です。
★衝撃を与えない、過度の負荷を与えない。
上下方向の衝撃を加えないように注意します。跳ねる、飛び降りる、走る、衝撃の強い運動(球技の大半など)を制限します。そうした衝撃は、遠い側から順番に(靴、つま先、足底、足関節、膝、股関節)吸収し、上には伝わらないように訓練しておくべきです。
重い荷物を持たないように気をつけます。 |
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★日常生活
わずかでも腰をかがめるような姿勢に注意する。
棒立ちで、動作しない。
冷蔵庫、流し台下、棚の下段、机引出などへの動作は注意する。
玄関、洗面、風呂、洗濯、トイレ、掃除、庭いじり、犬猫の世話などでのほぼ全動作は、要注意。
他、それぞれの生活、仕事上に特殊な事情があるので、自分の状況を振り返って、注意すべき点を考え、対策とる。
★ひと仕事、まとまった動作の前にはストレッチする
外出や仕事、家庭内でも
★デスクワーク、運転などでは
一定時間毎にストレッチする
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●腰痛対策 ストレッチ |
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注意、急性期、痛みが強い時はしない。
重い、だるい場合は、軽減の効果期待できる。
呼吸は止めず、一動作に10-20秒かける。できるだけゆっくり戻し、数秒間全身の力が抜けることを感じ取り、次の動作に移る。
(以下、図または写真を準備しますので、しばらくの間は、わかりにくさをご勘弁ください)
.§立位で (頻繁に)
1)腰反らし
膝を伸ばし、脚をまっすぐにして、軽く開いて立つ。胸を反らす。腰の後ろが水平になり、ものがのせられるようなイメージ。
2)脚クロス、前屈2方向(背中の筋肉、股関節の伸びを意識)
膝を伸ばし、脚をまっすぐにする。左右をXに交差させ、両足が肩幅程度離れるように立つ。
その真ん中に向かって両手をおろす。
右脚前の時は、左股関節と左の背筋の伸びを感じとる。
左右交替。 |
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3)脚前後開脚、2 (股関節の屈曲、伸展を意識)
4)後屈、骨盤(仙骨)立て直し 2
ゆっくり身体を起こし、そのまま
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.§床
朝、夜などに
ひねり
仰向けに寝て、下肢を伸ばし、どちらかの膝を抱え込む 十分に屈曲させる。さらにそれを逆側(右膝なら左)に倒し、床につける。
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● 治療 |
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§休養
慢性腰痛、職業性腰痛の治療は、頸肩腕症候群と同じで、休養が中心です。
心身ともに緊張がとれるように、充分な休養が必要です。
長期の経過(職業病性など)で腰痛になった場合、いつまでも身体の深部(腰では腰椎周囲の)の緊張が、ただ座ってるだけでも(ひどくは、臥床してても)続いています。
急性期の痛みが酷くて、長かったケース(事故、外傷など)も、わずかな刺激に過敏になっていて、身体がびくびくおどおどしてる状態、すなわち緊張が続きます。
休んでる状態なのに、筋肉疲労を再生産してることになります。そのため、通常の疲労とは比較にならないほど充分で長期の休養を要することがあります。
これらの脆弱な状態では、健康なひとにくらべ、心理的なわずかなストレスにも過敏に影響をうけます。
.§安静
特に、急性期と慢性での増悪期
臥床
入浴 (浮力で、緊張を解消できる、温める効果も大)
.§保護
コルセット、腹巻き。
.§テーピングは、
保護・支え、になり、安心感もあります。一般的なスポーツテープ(数p幅まで各種)、または伸縮性のあるキネシオテープを使用します。
§湿布は、
物理的保護はわずかですが、浸透する薬物(インドメタシンなどの抗炎症、鎮痛他)や爽快感で、心理的効果もかなり期待できます。
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.§軟膏
インドメタシン系の薬剤は、クリームやスチック(口紅型)で塗り込むのも有効です。湯上がりに、少量べたつかない程度に塗って、さらに翌朝まで湿布を貼っておくのが、効果的とされてます。
.§ホットパック 温・冷却
患部、局所を温めます。10-20分程度。
電気式のアンカ、または電子レンジ加熱式ゲルパック。
冷却も効果があります。冷蔵庫で冷やす袋詰めゲルタイプを用います。やはり10分程度です。ともに、温度変化による反応(リバウンド)で血流が盛んになること、繰り返し温度変化によって自律神経の血流調整機能が盛んになる、正常化する効果が期待できます。
どちらも家庭で、できます。長時間にならないこと、低温やけどにならないように、注意してください。
.§ トリガーポイント注
(筋肉用に特化した抗炎症、鎮痛剤と、局所麻酔薬を、筋肉に注射する)
局麻剤で、痛みを数時間でも除去し、局所的集中的に筋肉の抗炎症剤を浸透させることで、前記の悪循環を断つ。
.§他
マッサージ、鍼、灸
牽引
ブロック注射
低周波数通電
赤外レーザー光照射
.§運動、体操他
太極拳、ヨガ
アレクサンダー・テクニーク
水泳(クロール、背泳ぎが、平、バタよりも適してる。上手でない場合は、壁キック、ビート板でのキック)
水中ウォーキング
散歩
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● 心構え |
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腰は、身体の動きの中心的役割を担うため、わずかな不具合が、全体の士気の著しい低下になります。つまり腰に不安があると、何もかもうまくいかない、何もする気になれない、となりがちです。
腰痛予防、治療、療養に際しては、常に万全の構えをし、やるべきことを怠りなくやってる、攻めている、だから大丈夫だという、姿勢が重要です。
予防を怠ってる、他に気を取られてる、逃げてる、などの消極性を見せると、追い打ちをかけるように、やられたりします。
姿勢を保つ、直立二足歩行する、などの為には、膨大な筋肉群の、複雑でダイナミックな調整をする高次脳機能が必要です。だから、わずかな脳の不調で人間は倒れてしまうし、それらの機能を遂行してる間は脳は準フル活動なので、眠くなることもできません。
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どれかの小さい筋肉が疲労し働きが低下したなどのわずかな変化でも、システム全体を再調整し、機能させることも必要になります。そうしたことが刻々となされています。自然に、無意識にです。
ところが、傷ついた、痛みを発してるなどの大きい故障が発生した場合は、その再調整は
大変な負担になります。このような場合は、意識的・心理的にもそれを支えるための努力が必要になります。
慢性腰痛の原因は、ほとんど心理的なものである、という極論があります。それは言い過ぎで、雇用者がその論理を振りかざすと、具体的フォーカスがあるのに無視して、ますます悪化させたり、心理的にも追いつめて、前記の心身ともの休養を実現できない、前向きになれないなどになりかねません。
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● 梨状筋症候群と、その予備軍 |
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殿部が重い、鈍痛。坐骨神経痛 |
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症状
殿部が重い、鈍痛。あしが、だるい、重い、しびれる、痛い
このほかにも
★くび肩のこりも強い
★おしりの深いところにいやな重苦しさがある
ただし
★腰椎のトラブルではない
椎間板ヘルニアなどがない、 画像診断で否定される
仰向けになって脚をまっすぐ伸して あげるテストで、80度以上。
簡易診断
★殿部圧痛、放散痛
おしりの一番のふくらみを指先くらいの太さのもので強く圧す。痛い、さらには膝、足に向かってびりびり響く感じがあればより重症です。
★回旋筋群の圧痛
大腿骨大転子(腰の横に触れる骨)の圧痛。さらにそこから内側、殿部の圧痛点に少しの部位にも圧痛がある。
★膝、大腿下部
大腿内側、膝のすぐ上に圧痛があり、さらに股にむけて帯状のしこりが伸びている。
大腿外側 膝のすぐ上に圧痛。
下腿外側 膝のすぐ下、骨のわずかな突起(腓骨骨頭)の周囲に圧痛と足に響く放散感がある。
何が起きてる
おしりのふくらみは、大殿筋がつくってます。その下(内側)に、いくつかの小さい回旋筋群があります。下肢の運動、感覚を支配する座骨神経は巨大な神経の束ですが、骨盤を出た場所で梨状筋に押しつぶされたように平べったく「きしめん」状になってます。回旋筋群がこって固くなると、座骨神経がさらに押しつぶされ、さやが傷むなどして神経が損傷します。神経絞扼(症候群)がおき、にぶい重さ、だるさ、しびれ、痛みなどを感じます。
治療、
休養
緊張をとる(最も本質的)、
一般的な腰痛体操
ストレッチング(少し特殊です)
レーザー治療 殿部の深部、大転子内側にかけて、できるだけ深くおしながら照射
同側の腰の照射と合わせると有効
治療薬、
クスリ 筋弛緩剤 ビタミンB12
おしりの注射 トリガーポイント注
外用薬 湿布、塗薬 (深すぎてあまり効果期待できない、むしろ腰に)
予防対策 注意
★ストレッチ
★椅子、座り方 おしりの一点だけで座らないようにする。
板だけなど、固い座面ではクッションを用いる。
長時間座らない。
座面 座の高さの調整、または足をのせる台を使うなどして、おしりから太ももの背面全体のできるだけ広い面で重さを支えるようにする。
ヒップが少なくなったら、補う 筋肉をつける、歩くなどの運動または、うつぶせで片脚をあげるいわゆるヒップアップ体操。
座布団、クッション
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ほかにも
多くは左右の同じ側に
腰の重さ、痛みを持ってる
腰椎の脇にしこりが縦長に触れることがほとんどです。
教科書的には
梨状筋症候群 Pyriformis syndrome は過度の使用overuse、または外傷後になるとされている。トップアスリート(例、橋本聖子)がなることがあり。診断したら、その線を追究せよ、トレーニングを見直せなどとしている。
しかし、慢性に重くだるいというレベルなら、過労性、職業性でかなりいるものです。
ストレッチング
1)仰向け 悪い尻・脚の側の膝をお腹の上に抱え込む、さらに反対側(右脚なら左の床に向けて押し倒す。このとき、腰をできるだけ浮かさないようにする。殿部の傷んだ筋肉が伸ばされる感覚をたよりに適当な角度を探す。
2)仰向け 介助者が必要 詳述略
3)立位 両脚を伸ばしたままクロスさせる。悪い側の脚を前にする。幅20センチ程度。
両足の真ん中に向けて手をおろしていく。このとき、お腹を太腿にくっつけるイメージで。
これも、お尻の深くで、傷んだ部分が伸ばされる痛きもちいい角度を探す。
神経痛とは
「神経痛とは種々の原因により脳・脊髄神経や末梢神経が刺激され,当該神経支配領域にしびれや疼痛などの症状を呈するものをいう.(今日の診療プレミアム)」
「神経痛ですね」、に対して、「えーっ、神経痛は年寄くさくていやだ!」と抵抗(ムダな)される方がいますが、わりと広い定義のようなのです。
坐骨神経痛は、多いのは腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などであるが、梨状筋による絞扼も、かなり多いようです。
ガンガン温める
「ゆたぽん」をお尻にのせる
白元の、ゲルタイプ加温剤
各種大きさのものが発売されています。このうち「湯たんぽ型、18×27p(800円台)」が適してます。やや熱めにまで加熱します。メーカー指定の1.5倍程度。
うつぶせになり、20分ほど、お尻に
のせます。じわじわと熱が深部に伝わっていくのが感じられます。これが殿部深部のコリ、梨状筋症候群、坐骨神経痛の解消に効きます。
他ではだめか 使い捨てカイロでは、時間が長すぎるけど、熱容量が小さぎます。軽すぎます。
電気アンカ:ハード型は、お尻の形に合わせてくれません。ソフト型なら、上からさらに何かをのせてフィットさせて使うことができます。
ホットカーペットなど: これに坐ると、体重がかかる小面積だけが熱くなってしまいます。下からの加熱装置では、どれでも似たようなことになります。
ゴム製水枕にお湯を入れると、かなり近いものになるでしょうが、入手、コスト、手間は…?
仰向け ではダメか 体重をかけると、熱が強くあたる一点に集中しがちです。膝を立てる、などの工夫が必要です。
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