J註 Repetitive Strain Injury (RSI)は、日本の頸肩腕症候群に相当する疾患ですが、欧米のものは、高速キーボード使用(日本語は変換のたびにちょっと停止するだけまし)による、手首、前腕の障害が中心です。
以下は、この本のうち、療養、さらに心理的側面について抄訳したものです。できれば、他も追加をしていきます。
◎4. RSIの心理(情動)的側面
The emotional aspects of RSI
●よくある心理的反動
Common emotional repercussions
受け入れたあとでもっと悪くなる
うまく手が使えない、理解できない、怒り
抑うつ、悲哀、落胆
恐れ、不安
罪悪と恥
罪悪感、自分を責める気持ち
自殺したくなる気分
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●Steps to emotional healing
心理(情動)的回復のためのステップ
★感情をうまく表現する
友達やセラピストに。
変えられることがあるなら、やってしまうと軽くなる なければ、あなたの生活・人生をそのまま受け入れて、内なる静謐を探すことがカギになる。
感情をぶつけることはコミュニケーションではない、理解できるようにあらわすことだ。
★うまく泣いてしまう
泣くことは、感情の良い吐き出し方。
頻繁に、コントロールできないくらい泣いてしまう場合は、カウンセリングを受けましょう。
★孤独を避ける
職を失い、家で孤独なりがち=負のスパイラルに落ち込む。テレビをつけっぱなしにして、帰ったときにもついてるようにしてる人もいる。
仲間、友達を作ろう。
★ポジティブな友達に囲まれる
リラックスできるひとに。
★楽観主義者になる、訓練
★自分へのポジティブな語りかけ、を練習
★犠牲者(敗残者)にはならない
★主導権をにぎる take charge
痛みの扱いを学ぶ、生活を取り戻すための行動をとる。いつも誰かに頼るのではなく、自分のことは自分でする、と良くなる
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●あなたの健康、健全さをとりもどす小わざ
Small ways to save your sanity
★QOL (人生の質)選択を考えてみる
がつがつ、ぎすぎす(競争)の生き方を避ける
楽しい(もっとゆったりした)環境を選ぶ、のはどうか
★仕事の治療的意義
仕事(練習、勉強、何かにとりくむこと)が痛みを忘れさせることも。
楽しいことをやってみる
★少しだけやる。
痛みがあっても、好きなことを完全に手放すのは、却ってまずい。ちょっとだけなら。
★他人にやって欲しいように、自分を扱う。
あなた親、痛みは子供、と想像してみる。賢明な親は、忍耐が早道、誉めるほうが、非難よりも効果的、と知ってる。つらい症状に対して、愛する子供に接するように、思いやりをもって対してみよう。
★前向き思考で。
外科的縫合でも、感情の持ちようでは開いてしまうことがある。‥。(J註
: って本当か?)
★努力する。
成功は幸運、才能、特権によるとしがちだが、実際には、努力が、幸運をよぶものだ。
エクササイズ、前向き思考、忍耐は、きっと実る。
★精神力で克服
健康なライフスタイルをとり、痛みの感覚のもとを理解することで、症状が軽くなる。
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<JW>感想
RSIの多くは、かなりの難治性で、再び同じような仕事(オフィスワークのほとんど)ができないばかりか、日常生活も長期にわたって、辛くてたいへんなようです。
RSIは、かなり社会的に認知されてるようで、その「たいへんな障害」になったことを「受容」することのためらいが強く、自分で認めるのにも壁があることがわかります。
治療や対策が、積極(攻撃)的で、実際的なのが、アメリカらしく興味深いところです。
ロスが、死に至る病についての心理的な、数段階を分析したこと、本人や家族・遺族がそれを乗り越えるための具体的、実際的手だてをあげたことも想起させます。
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