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■療養 |
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症状の改善、痛みなど苦痛の解消、体力回復。
再び、過労性疾患にならないように、この機会に学ぶ(心身ともに)。
あとは、特に仕事に追われていたひとは、場合によっては仕事のやり方、人生目標などを見直すこともあってもいいでしょう。
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●療養による回復の諸段階 |
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準備
徹底した休養
回復のための緒努力
復帰を目指す準備
準復帰
復帰 |
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準備
仕事中断のための必要最低の手続き。
周囲の理解を得て、協力、援助してもらう態勢を作る。
親元を頼れるひとは、理解を得た上で、世話になるのも有効。
温泉、転地などもかなり有効。
自分のための「復帰マニュアル」
徹底した休養
何もしなくてもいい、自分が何(職業、立場)であったかも忘れられるくらいの休養。
何か回復のための積極的訓練をしなくてはならない、などは考えない。
短期間とわりきって、睡眠薬、抗不安薬などの力を借りて、ぐっすり長時間寝てしまう、日中少しくらいぼーっとしても、緊張をとることに主眼をおく、など。
回復のための緒努力
ストレッチ、軽い運動
できるだけ規則的生活に戻す。
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復帰を目指す準備
短時間の作業の模擬をやってみる。
例 30分デスクワーク、10-15分休み。
これを半日に数回連続してみる。
週3回をめざす。
午前、午後にしてみる。
いずれの段階でも、症状悪化があったら、少し撤退する。
自宅で、あまり仕事モードになれないひとは、図書館や、やや集中を要する講演、セミナーなどに参加もいい。
準復帰
リハビリ勤務が可能かどうか検討する。
勤務先の条件、前例があるか、やってくれるか。
自分の考え方にもよる。却って目立ってプレッシャーになるからダメということもあり。
例、週3回、半日。
朝夕の時短で通勤負担の軽減。
水曜休み、2日間出たら休める。
仕事内容の変更。
締切りを課さないなど。
復帰
ただし当面は、残業なし、即出、直帰。
プライベート余暇活動は停止、夕方のオフ、土日はほぼ休養にあてる。
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● 頸肩腕症候群、過労性疾患の特殊性 |
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頸肩腕症候群の原因は、集中・緊張作業の持続(連続作業時間、休み時間の長さ、一日の労働時間、残業、土日勤務など短期的集中、それらの数ヶ月から数年にわたる中長期連続)などによります。
身体の深部にある小さい筋肉群の多くは、関節の角度やあたり具合を微調整する役割を持ちます。他方、体表に近い大筋肉は大きな筋力を発揮し、関節を動かし、目に見える身体動作をします。そのための下働きをする上記の小筋肉群は、緊張、準備を繰り返すうちに、いつまでも緊張をとけないようになっていきます。これは、作業の持続、繰り返しだけでなく、精神的緊張を続ける、すなわち常に次の動作に備えることで、より酷くなります。
頸肩腕症候群は、まじめに根を詰めて一生懸命働くひとほどなりやすい傾向があるのは、そういう背景があるからです。 |
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● 休業、療養 |
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緊張作業の連続などを原因とする頸肩腕症候群の治療は、当然その最大の要因をしばらく除去し、安静を確保することが中心になります。長期の休業が必要になる例が大半です。 |
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休業には、以下の諸注意があります。
1)休養初期悪化
辛い苦痛を耐えて続けた精神的緊張がとぎれて、それまで抑えていた症状が吹き出てきて、却って症状が悪化することがむしろ一般的です。落胆、回復できないと絶望したりしないように。しばらくしたら(時期は個人差あり)底を打って、回復に転ずるので、確かな希望を持ちましょう。
苦痛は、いつもとても辛くて、変わらないかのような感じになることもあります。場所、広がり、時間、程度、しびれ、だるさなど他の症状、などの変化を、客観的に記録、観察し比べて、よい変化がわかることもあります。
回復も、日々の変化がわかるほどぐんぐん進まないこともあります。このままでは、何年もかかりそうな気にもなってしまうものです。しかし、いつまでもゆっくりした歩みではなく、どこからか、はっきりした回復期に入るものです。 |
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2)心身ともに休養できる条件を確保すること
★ 身体の休養をとること
★ 心理的、精神的にも休養すること
具体的な作業(筋肉労働)をやめても、それがそのまま全身の休養になるとは限りません。心理的緊張、準備状態が解除されることが必要になります。
そのためには、勤務先との連絡をとらないこと、またそのために手だてを整えることが必要です。電話、FAX、メール、手紙などでの業務連絡、問い合わせ、最悪は新規仕事の依頼・命令、などがあると、心理的には、勤務の延長になります。また、治療状態問い合わせや報告の義務づけも、心理的圧力、焦りへとつながり妨げになります。
復帰時期の目標を立て、それに向け努力することは、正負両面の影響があります。初期には、「復帰」のことを考えずに頭を空っぽにするくらいのほうが有効です。
3)復帰に向けての準備 略
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●職場や周囲の理解、管理者の心構え |
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職場同僚、管理者、家族の方々の理解と支援が極めて重要です |
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1)休業について
休業中は、本人への連絡・問い合わせは無し、または最低限としてください。その、避けるべき、悪い順番は、呼び出し・訪問による面談、電話、FAX、メール、郵便、家族など他人を介しての連絡と、考えられます。そのためには、必要な引き継ぎなどを休業前に、手短かに完了させておきましょう。
休養中の頸肩腕症候群の患者に対して、その療養方針について、善意でも意見・批判をすることは、多くはマイナス効果になるので避けてください。特に、「何もしないでごろごろしてるだけでいいのか」、「遊びみたいなことをやってていいのか」などはタブーです。
頻繁に病状を問合せたり、報告させたり、励ましたり、は、やはりマイナス効果になります。復帰時期やメドを言わせる、話題にするのもプラスにはなりません。心配や配慮の深さは、効果的な休養をサポートすることであらわしましょう。
2)復帰、または復帰後に向けた準備
頸肩腕症候群は、偶然にそのひとがなってしまったのではなく、現在までの勤務条件が生みだしてしまったととらえ、反省、対策をとりましょう。厚労省ガイドラインの遵守などを再チェックしましょう。管理者は、本来、謝罪、償いの責を持たなければなりません。それ以外の対応は、障害や休業を、本人の体質・自己責任・自己管理のせいに帰することになり、温かく迎えることになりません。それでは、同じようなトラブルを繰り返し、脱落、切り捨てで、人材を失うことになります。
「完璧な戦力」を期待することをやめましょう。人間には様々な個性や個人的状況差があり、画一的な滅私奉公、全力投球を求めることは無理だし時代遅れです。また「すっかり良くなって戻って来てくれ」という言葉も、励ましにはならず、完全でなければいつまでも戻れないというブレーキになります。それぞれのひとの健康や私的状況に、日常普段配慮していない(しないで済ませたい)という怠慢を告白してるようなものです。
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特定の作業(コンピュータなど)さえ避ければいいだろう、という単純化は、逆に負担を大きくすることがあるので要注意です。極端には、別室で、山のように積んだ単純繰り返し作業、期限つき、を数日にわたってやらせるなどの無神経な対応などで、症状が酷く悪化した例もあります。心理的にも、目立って、差別・懲罰を感じさせては、大きくマイナスです。局所的な痛みなどの症状が、特定の作業(マウス、キーボード)と直結していない場合は、本人と相談しつつ、むしろ作業のバランスを考慮すべきです。
3)作業条件の整備
厚生労働省の「VDT作業ガイドライン」など、働くものの健康を守る条件の遵守は、管理者の義務です。これらは、まだ不十分で、理想的なものではありません。これが守られず職場に頸肩腕症候群になるひとが出た場合は、管理者の責任です。また、条項などを機械的に守るだけで、人間関係や心理的状態に配慮を欠くようでは、十分な「健康管理」にはなりません。
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● 注意、参考 |
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家庭における対策
家族の協力を得る
徹底した省力化、わりきり。
例、食器をディスポにする。割れ物洗いは落さないようにかなり緊張するものなので、ステン、プラに交換するなども。
この際、洗濯や食器の自動化。
料理、手芸、楽器演奏などの趣味を当面おあずけとする。
掃除の回数を減らす。
休業、療養は余力があるうちに開始
身体的に広く苦痛があると、一挙手一投足、些細な切替えに、とても精神的エネルギーを要します。「よいしょ」とか「さぁやるぞ」といちいち気合をいれなきゃできなくなるものです。さらに「大きな決断」には、とても立ち向えない気がしてきます。
良くない例 今の自分の立場では、とても休むわけにいかない、辛いけどもう少し続けられる、などと、ずるずると療養開始をためらってると、精神的にもすり減ってきて、何もかも面倒になって、退職してしまうひとが、少なからずいます。在職中に休業を開始すれば、健保からの休業補償を最大1年半受けることができるのに、その権利(ながらくたっぷり支払ってきた分なのに)を捨ててしまうことになります。
すっかり疲弊して、人生そのものをを断ってしまうこともありえます。
療養開始が遅くなると、心身共に回復がさらに遅れます。
今の日本では、残念ながら、慢性過労性疾患(だけでなく他の疾患も含め)で、休業、療養を開始することは、簡単ではありません。
また、良い療養を確保するため、早期のスムーズな復帰のためにも、開始時点での準備が必要です。それらには、少なからず精神的エネルギーも要します。
家屋が崩れてから救出されるよりも、危機を自ら早期に察知して、避難袋と大切なものを持って安全な場所に待避しましょう。 |
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自分のための復帰マニュアル
夏休みのように長期に学校から離れると、学校大好きな子でも、おっくうに感じるものです。
嫌ではなくとも、かつて毎日繰返していたことのイメージが薄れるだけで、再現に精神的エネルギーを要するようになります。それが壁に感じられて、回復のブレーキにならないようにします。
さらに、復帰に当って、問題がありそうな場合(対人的あつれき、仕事が無くなってる、知らないひとばかりで空気が変ってる)などは、より障壁が大きく感じられます。未解決、曖昧な問題点を残すと、いつまでも気がかりになります。
復帰マニュアルは以下の点を参考に作成してみます。
通勤、持物、朝の始業、夕の片づけ、なども含めた、些細な手続きも含め、数週間(月)後の、浦島太郎のような自分のために、書残しておきます。
嫌な問題点については、気分が良く精神的に好調な時に、できるだけ正しい解決、対処法を決めておきます。
ある程度できあがったら、以後繰返し見たり、修正したりはしないように、アクセスできない場所に収納します。
復帰直前にその指示書を参考にすれば、良しとします。
宿題と二学期の予習を、最低にやっておく、ずるでも嘘でもとにかく形をしあげておく。見直すと、やり直したくなるような酷いレベルでもかまわない。「やってある」ということだけにして、見えないところにしまう。
慢性腰痛についてもほぼ同様の考えでのぞみましょう。
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